地形リスク

私が地形に最初に興味を持ったのは、昭和53年1月16日の朝日新聞の記事であります。「100%巨大な火山島 本州と違う、もろい地質、地震に弱い伊豆半島」という見出しで、硫黄島近くにあった火山島が本州のフォッサマグナにぶつかり、伊豆半島が出来たということでした。

その結果、丹沢山塊が出来たり中央構造線が湾曲したりしたということでした。 埼玉県の活断層、深谷断層や綾瀬川断層も多分、伊豆半島が衝突した結果出来たのではないかと推測します。

関東地方で今、分かっている活断層で最もリスクの高いのは深谷断層や綾瀬川断層と素人判断しています。 地震に弱い地形は低地(沖積層)で、台地(洪積層)は比較的地震に強いと言うことから大宮台地は、埼玉県内では一等地と思います。

そんな想いから、大宮台地でもっとも標高の高いのは北本市の高尾は興味がありました。Google マップで覗くと県道57号線の横に氷川神社、厳島神社、須賀神社、北向き地蔵が集まっていました。大宮台地で最も高い30m地域に崖と湿地場所に厳島神社があります。

大宮台地の最高高度は北本市高尾の32mですが、川口方面に向かって低くなって行きます。そして、台地の表面も凹凸が多く、川や低地もあります。

埼玉県の中心に位置する大宮台地は、洪積層で周辺の低地(沖積層)に比べて地震に強く、関東大地震でも損害が少なかったと言われています。

また、圏央道桶川北本インターチェンジに接続でき、一般道に比べて災害時の利便性は高いと考えられます。

BCP(災害時の事業継続計画)における早期復旧戦略は、人的被害・物的被害の復旧において有利であり、取引先への供給責任を果たすことが可能と思われます。

下図は、1923年9月1日関東大震災時の大宮台地と低地の震度分布図で大宮台地は震度5と周辺低地の6や7に比べて低くなっています。

 

浸水リスクを知る
本ホームページ内のハザードマップは下記の国交省ハザードマップを使用しています。
重ねるハザードマップ」リンク

綾瀬川活断層を知る
地理院地図」リンク

地形的観点で神社を訪ねてはいかがですか 。神社を訪ねる方が多くなりましたが、地形的観点で神社の立地場所を考えてみますといろいろな発見をします。

1.上図の「ハザードマップポータル」をクリックしてください。

2.①場所(住所)を入力してください。②白地図が表示されますので、調べる場所を決めてください。③左上の図表「地形分類」をクリックします。

3.すると、白地図が茶色や水色などで色分けされます。

4.これが地形図です。慣れると簡単になります。神社の立地場所をハザードマップで調べてみませんか。鳥居は低い場所にあっても、祠や拝殿は周囲より高い場所にあります。洪水などを避けていると思われます。

伝鎌倉街道沿いにある神社で面白いのは、北本・高尾の厳島神社です。鳥居は台地にありますが拝殿は谷にあり、周囲は池となっています。竜神伝説があります。

鴻巣・滝馬室氷川神社は、鳥居は荒川河川敷にありますが、拝殿は階段を登った台地にあります。泉が村人を救ったとあります。 神社は人々の守り神様ですが、地形的観点で見ると神社の奥深さを感じます。

映画で印象に残るのは、「蝉しぐれ(藤沢修平)」の場面で出てくる赤い鳥居です。桶川川田谷の八幡原八幡神社の赤い鳥居も郷愁があります。

下図は、重ねるハザードマップによる地形分類です。この地形分類で神社を調べますと、神社の立地場所が大変良く分かります。崖沿いの台地にあたる場所に立地している神社も多く洪水時には避難場所として役割もありそうです。

テレビドラマの水戸黄門では社寺が多く出ますが、人々の逃げ場所にもなっています。
崖:紫色・・・急斜面や岩場など崖崩れリスクあり
山地:灰色・・山がちな古い段丘
崖台地・段丘:茶色・・・周囲より高い平坦な土地
氾濫平野:薄緑・・・平坦で低い土地

◎北本市高尾の神社と宮岡の景観
3つの神社が集まる北本市高尾の氷川神社、厳島神社、須賀神社。
この付近は、大宮台地で最も高い地点で標高32m。
この付近を車で走ると台地の景観を感ずるところです。
厳島神社は台地と谷部の神秘的な景観を持っています。
谷部は「さいたま緑のトラスト(宮岡の景観)」大宮台地と低地の2つの景観を見ることが出来ます。